ロシアは、帝国主義時代にガタガタと、政治システムが変わっていく時代です

まだ説明していないですが、キッカケは日露戦争(1904~05)です。これで、ロシアは王政の変更を余儀なくされます

まず社会主義の勢力が、大きく伸長します。ロシア社会民主労働党が、まずでますが、意見の対立で、ボルシェヴィキメンシェヴィキに分かれます

メンシェヴィキの方が、段階的な改革を望み、ブルジョワ勢力も取り込んでいます。指導者は、プレハーノフマルトフです。ボルシェヴィキの指導者は、レーニンです

-レーニン-
2014-8-25_17-18-13

他にも過激な社会主義集団、社会革命党(エス=エル)というのもあります。これは、ナロードニキの流れを組んでいます

■講義 part72 -ロシアの改革と東方問題-
http://world-history.blog.jp/archives/7210555.html
※ナロードニキ情報

もちろんブルジョワ政党もあります。それは、立憲民主党です
これらの政党が、主導権争いを行います

結局の所、戦争は長続きすると、優勢だろうが、劣勢だろうが、国民の不満は鬱積します。明日食べるゴハンも、苦しむ状態になりますからね

さらにアジアなんて雑魚と思っている欧米の人にとって、簡単に日本を追い込めないロシアの状態に、国民は我慢なりません

これらの不満は、ペテルブルク冬宮前のデモにつながります。率いていたのは、ガポンという神父です。このデモを鎮圧するために、軍隊は武力で鎮圧します

これで多くの死者がうまれ、ロシア皇帝憎しの感情が作られていきます。これを血の日曜日事件(1905年1月)といいます

これがキッカケとなり、各地が暴動です。当時の皇帝ニコライ2世(在位1894~1917)はビビりますこの暴動鎮圧の責任者となったのが、ヴィッテです。彼は、日露戦争を終わらせたポーツマス会議での責任者でもあります

まず、原因を考えるとわかりますが、デモのキッカケは戦争です。これを止めるのが第一です。これを放置している間、軍隊すら暴動に参加しています

これをポチョムキン号の反乱(1905年6月)といいます

いよいよ皇帝の首が危ないですロシアは戦争継続を断念します。ポーツマス条約(1905年9月)に調印します

しかし、これだけでは無理です。戦争に負けているからです。責任は誰でしょう?どうみても皇帝になります。国民を納得させるアメでもない限り、止まりません

そこでニコライ2世は、十月宣言(1905年10月)を発表し、ドゥーマ(国会)の開設と、憲法の制定を認めます

血の日曜日事件から、ここまでの流れを第一次ロシア革命といいます

血の日曜日事件⇒ポチョムキン号の反乱⇒ポーツマス条約⇒十月宣言

並べ替え問題があれば、年号暗記がなくても、当時の流れを覚えいれば解答できます。上記の流れを自分で説明できるようにしていてくださいね

ここで力を持ったのは、立憲民主党です。ヴィッテも彼らの路線を支持しますが、皇帝は不満です。喉元すぎれば、ナントカで、自分以外の者が権力を持つことが納得できません

1906年に首相だったヴィッテを解任し、ストルイピン(在任1906~11)をあらたに任命します。これで、立憲民主党も支持者を失い、力がなくなります

ストルイピンは、暴動の芽が、ミールから生まれると考えていました。ミールは農村共同体ですね。農民は貧しい人多いですから、社会主義の影響を受けやすいです

ミールをつぶし、自立した農民を増やせば国力もあがると考えました

■講義 part72 -ロシアの改革と東方問題-
http://world-history.blog.jp/archives/7210555.html
※ミール情報

この考え、ちょっと浅薄だったと思います。ミールは、国が何も助けてくれないなかで、弱い彼らが何とか生きていくためのだったことを理解できていません

ストルイピンは、貴族出身ですから、経済的なものだけで、物を見過ぎたと思います。ただ、彼はミールを潰せば、暴動が減って、経済力もつくと思ってますから、ミール解体を断行します

最後のセーフティーネットを砕かれたわけですから、農民に貧富の格差が増大します。ここで儲かった一部の人はいいですが、頼るもののない農民は困窮し、さらに憎しみを増大させるわけです

またストルイピンは、いろいろルールを変更して、自分に操縦しやすい国会を作りました。立憲民主党や社会主革命党などは、そこで議席を失います

ほうぼうに憎まれたストルイピンは、最終的に暗殺されてしまいます

彼のやろうとしたことは理解できますが、ロシアの流れを大局から判断して、適切に行動できるまでの才覚はなかったと思います

ロシアの矛盾は解消されず、不満のマグマが溜まり、次の革命を待つことになります

次回は、帝国主義時代(アメリカ)です

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