アメリカの帝国主義時代の行動も語りましょう
この国は、他と違ってちょっと特殊です。何が違うかというと、あえて植民地を取りにいかなくても、アメリカ大陸に未開拓の土地がいっぱいあり、そこを開拓すれば良かったからです
その場所をフロンティアといいます。忘れた方は、復習しましょう
■講義 part73 -南北戦争(アメリカ)-
http://world-history.blog.jp/archives/7443038.html
フロンティアが消滅するのが、1890年になります。ここから遅ればせながら、植民地競争にアメリカも本格的に乗り出します
この当時のアメリカの金持ちを紹介します。もちろん今でも影響力大です。何で儲けてるかで、3つを区別してください
ロックフェラー…石油で儲ける。スタンダード石油会社が有名
カーネギー…鉄鋼で儲ける
モルガン…金融で儲ける
で、彼らばかりが独占的に儲けるのを防ぐため、1890年にシャーマン反トラスト法が制定されましたが、彼らの力に歯止めはかかってません
このあたりの時代で有名な大統領は、第25代の共和党マッキンリー(在任1897~1901)、第26代の共和党セオドア=ローズヴェルト(在任1901~09)、マッキンリー・セオドア=ローズヴェルト両名の国務長官はジョン=ヘイ(在任1898~1905)です
ジョン=ヘイは、門戸開放宣言(1899~1900)で中国を追い込んだことで有名です
-セオドア=ローズヴェルト-
国務長官は、外交のトップ、国防長官は、軍事のトップです。受験ではせいぜい国務長官までしか聞かれませんが、国防長官まで抑えると、アメリカ関連のニュースをうまく理解できます
つい最近までは、ヒラリー・クリントン(在任2009~2013)が国務長官でしたね。この人は、次期アメリカ大統領になると、私は見てます
-ヒラリー・クリントン-
フロンティア消滅とともに、展開されたのがカリブ海政策です。この政策は、地理的に近いカリブ海を植民地することを意味します
結果カリブ海は、だいたいスペインの権益ですから、アメリカはスペインと対峙することになります。アメリカがまず手をつけたのが、ホセ=マルティのキューバ独立運動です。アメリカは、これを支援します
さらにアメリカは、キューバ独立運動と米艦メーン号爆沈事件をキッカケに、米西戦争(1898)を開始します
1898年12月には、パリ条約でキューバ独立、フィリピン・プエルトリコ・グァムがアメリカのもになります
1901年には、プラット条項でキューバの保護国化にも成功します
だいたいの他国を屈服させる流れは、独立⇒保護国⇒併合と覚えてください。まず独立させ、他国に干渉させない状態を作り、徐々に影響範囲を強め、最終的に併合する流れです
-キューバ・プエルトリコ-
-フィリピン・グァム-
ありがちな正誤問題では、グァムとハワイを取り換えて聞いてきます。必ず全部覚えてくださいハワイは、スペインとのイザコザとは別ルートで、カメハメハ朝(1795~1893)を倒す形で、1898年に併合されています
これらの流れの中で、パナマ・ニカラグア・ハイチなど、続々とアメリカの勢力化に入ります
この流れでメキシコも独裁者ディアス(在任1877~80、84~1911)を支援する形で試みましたが、自由主義者のマデロ(在任1911~13)にクーデタを起こされます
ウェルタ(在任1913~14)政権ができ、農民を応援したいサパタやアメリカの継続的干渉の結果、アメリカ寄りのカランサ政権(在任1917~20)ができます
ここまで来てわかると思いますが、メキシコの葛藤は、絶えずアメリカとの距離感にあります。アメリカに干渉されながらも、独立を保とうと努力するのが、メキシコの歴史です
自由主義者フアレス(在任1858~72)⇒メキシコ出兵退ける⇒独裁者ディアス(在任1877~80、84~1911)⇒自由主義者マデロ(在任1911~13)⇒ウェルタ(在任1913~14)⇒カランサ政権(在任1917~20)
この流れがあるので、現在のカリブの国々は、アメリカに苦い思いがあります。特にセオドア=ローズヴェルトのカリブ海政策は棍棒外交と呼ばれます。「言うこと聞かないと、攻め込むぞ!!」ということです
ここだけ見ると、セオドア=ローズヴェルトは超コワイ奴ですが、日露戦争では調停役をしてくれています。彼は共和党であることに注目してください
革新主義の名のもとに、財閥を反トラスト法で牽制してもいます。彼の時代に未熟練労働者の世界産業労働者同盟(IWW)が結成されています
■講義 part73 -南北戦争(アメリカ)-
http://world-history.blog.jp/archives/7443038.html
※熟練労働者の組合は、アメリカ労働総同盟
日本的には、共和党と仲が良く、民主党と仲が悪いですちなみに現在のオバマ(在任2009~)は民主党であり、あんまりうまく行っていません
これは理由があって、共和党は戦争を起こしたりと、外に力が向くのに対して、民主党は国内に目を向ける傾向にあります。日本の車などアメリカに強く浸透していますから、利害がぶつかり、よく揉めます
また、この政党の特徴を見れば、なぜ今アメリカが世界中から軍を退いているかも理解できます
セオドア=ローズヴェルトの次の大統領タフト(在任1909~13)は、お金で他国を服従させるドル外交をしたことだけ覚えてください
今回の講義ででたアメリカ大統領
第25代マッキンリー(共)…米西戦争・ハワイ併合
第26代セオドア=ローズヴェルト(共)…棍棒外交・革新主義・パナマ運河の着工
第27代タフト(共)…ドル外交、陸軍長官時代に桂・タフト協定
※桂・タフト協定は、韓国は日本のもの、フィリピンはアメリカのものと認めた協定
次回は、アフリカいきます
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