センター試験の解説も終わったので、予告していた中世文化史を説明します

まずは大学です。国別で覚えてください。さらに学部で出題された大学を絞りましょう

イタリアは2つです。北イタリアの法学で有名なボローニャ大学、南イタリアの医学で有名なサレルノ大学です

フランスは1つだけ、パリ大学神学で有名です

イギリスは2つです。パリ大学を模して設立されたオクスフォード大学と、そこから分派してできたケンブリッジ大学です

いくつかの大学は、皆さんも知っていますねメジャー系は、以上です

あとマニアックな大学は、ポーランドのカジェミシェ3世(位1333~70)が作ったクラクフ大学、神聖ローマ皇帝カール4世(位1347~78)が設立したチェコのプラハ大学を覚えれば、だいぶいいです

大学の構成は、3学部・7自由学科です

3学部は、神学・法学・医学です
7自由学科は、さらに下級3科文法・修辞・弁証法上級4科算術・幾何・天文・音楽に分けられます

たとえば、上級4科は、算術・幾何・天文・体育みたいな正誤問題があるので、全部覚えてください

中世で一番注目されている学部は、神学です中世は、宗教の時代です
この言葉を知るだけで、解答できる問題はけっこうあります

古代⇒中世⇒近世と時代は流れます

古代、近世は、人間に興味があります。対照的に中世は、神の世界に興味があります。時代をおおう大枠の価値観はまずおさえましょう

古代(人)⇒中世(神)⇒近世(人)ですね

中世は宗教の時代ですから、「哲学は神学の婢」といわれています。婢(はしため)は、召使いという意味です。したがって神学を研究するスコラ哲学に人気がありました

フランク王国のカール大帝は、イギリスの神学者アルクインアーヘンに招いて、学問を奨励しました。彼の王朝からとって、これをカロリング=ルネサンスといいます

神学で問題になったのは、神の実在を問う普遍論争です

唯名論×実在論

この2つの対立があります。唯名論は、字の通り、名前だけで神はいないとう立場です。実在論はそのままですね

唯名論はアベラールやウィリアム=オブ=オッカム、実在論はアンセルムスが主張します

この対立を著「神学大全」で解消したのが、トマス=アクィナスです
彼の主張は、論理的に神の実在を考えても答えはでず、信仰でしか把握できないという主張です

中世文化史で、トマス=アクィナスは激でます。覚えましょうね

こうやって論理の世界は、宗教から切り離されました。その論理の世界で経験を重視し、近代自然科学に道を開いたのは、ロジャー=ベーコンです

次に文学と美術の話をします

まず中世でおさえておきたいのが、ほとんどの人が字が読めませんし、書けません
例えばジャンヌ=ダルクは、処刑される時に署名を求められますが、字が書けず、字にもならない字を書きました

そんな人々が学ぶ文学は、歌です。当時は酒場などで吟遊詩人が活躍しました
吟遊詩人をフランスではトゥルバドゥール、ドイツではミンネジンガーといいます

有名なものは3つです

ドイツのジークフリートの活躍を描いた「ニーベルンゲンの歌」、カール大帝の部下ローランのイスラム勢力との戦い描いた「ローランの歌」、ケルト人の聖剣伝説「アーサー王物語」です

聖剣伝説は、いろんなマンガやアニメでパクられているアイディアですね

建築の話いきます。中世の建築様式は3つです
ビザンツ・ロマネスク・ゴシック様式です

ビザンツ様式の特徴は、モザイクです。モザイクは小さい石とかタイルをしきつめて1つの絵にする方法ですね

2014-1-22_20-34-46

コンスタンティノープルのハギア=ソフィア聖堂が有名でしたね

ロマネスク様式では、半円形のアーチに特徴があります。ピサの斜塔で有名なピサ大聖堂やフランスのクリュニー修道院が有名です

2014-1-22_20-43-52

ピサの画像見てもらうとわかりますが、小さい窓がいっぱいありますね。これがロマネスクの特徴です

ゴシック様式の特徴は、ステンドグラスです

2014-1-22_20-47-14

昔の人は字が読めないので、ステンドグラスでキリスト教を説明していました

ドイツのケルン大聖堂やフランス・パリノートルダム大聖堂が有名です


2014-1-22_20-51-2

画像のケルン大聖堂を見てください。イメージとして尖っているのが、ゴシック様式の特徴です

建築は、画像問題が頻出なので、ここにない画像も教科書や図表で確認してくださいね

これで中世を終わります。次回はインド史に突入します
■スポンサードリンク